悲願の二冠を達成!
今季、トップリーグ最強のチームになった理由とは-。北川智規Tomoki Kitagawa日本選手権を制し、選手たちは喜びを爆破させた 写真=野本浩一郎/パナソニック ワイルドナイツ<3>から続く
2シーズンぶり6回目の
ベスト15選出
『獲ったぞ』と嬉しさがこみ上げた――シーズンを通して自分の中で伸びたなと感じたところは?「なんやろな、コミュニケーションの部分だったり、練習の態度だったり。真面目になりましたね。自分は明るくワイワイする人間なので、ふざけたりしていた時もありましたが、今季はふざけていても締めなきゃいかん時は締める部分もありました。ちょっと自分を抑えたというか、一回冷静になって考える自分がいましたね」
――変わった実感はありますか。「ちょっとあります。ちょっと(苦笑)」
――日本選手権決勝戦の舞台は国立競技場でしたね。「やっぱり良いものですね。大学時代は選手権で毎年当たり前のように国立競技場に行っていたので、自分にとっては相性が良い場所なんです」
――大学選手権で優勝もされていますね。「嬉しい思いもしましたし、悔しい思いもしましたね。(東京五輪のために立て替えになる前の)最後の国立で優勝できたのはすごい歴史に残ることだと思う。あそこの国立をもう見られへんのかと思ったし、『そこで勝ったのは僕らやぞ』っていう誇りもあったし。とにかく嬉しかったですね」
――表彰式の時に優勝トロフィーを持って嬉しそうにしていましたが、受けとった瞬間はどんな気持ちでした?「下の台座がとれた! あれは毎年とれるらしいです(笑)」
――それを持って記念撮影をしましたね。「トップリーグ優勝の時、銀の皿のようなものをもらったんですけど、それをたまたま笹倉に持たしたんですよ。笹倉が真ん中で銀の皿をもっているところが優勝パネルになったので、今回は離さへんぞ、この場所は譲らんって思いました(笑)」
優勝トロフィーを手に、日本ラグビーフットボール協会の森喜朗会長と記念撮影をする北川智規 写真=野本浩一郎/パナソニック ワイルドナイツ――応援してくれるファンも喜んだでしょうね。「たくさんメッセージもいただきました。会社の守衛の方にも僕がバイクで出勤する時に、『おめでとう』って声をかけてもらいました」
――トップリーグでは2シーズンぶりにベスト15にも選ばれましたね。「以前もチームが強い時期があって、自分自身もトライの回数が多くてベスト15に選ばれていた時は、すごく嬉しいというのはなかったんです。天狗になっていたわけじゃないですけど。今季は、もらえるか、もらえないかわからなかった中でもらえたというのは、ホンマに嬉しかったですね。ちゃんと獲ったという感じがしました。今までは『もらった、ラッキー』という感じだったのが、今季は『獲ったぞ』という感覚でしたね」
――シーズンが終わってまだ間もないですが、来季の目標は考えていますか。「終わってから1週間経ってないので、まだホッとしています。来季の目標はとりあえずフィットネスを頑張ります。もちろん連覇もです。それより、GW明けから始まる春のフィットネスが怖いな(笑)」
ファンと一緒に二冠達成を喜ぶパナソニック ワイルドナイツの選手たち 写真=野本浩一郎/パナソニック ワイルドナイツ(文=星野志保 取材日=2014年3月14日、太田市内のクラブハウスにて)
【プロフィール】
きたがわ・ともき1983年7月25日生まれ、京都府出身。東山高校から関東学院大を経て、三洋電機ワイルドナイツに入部。持ち前のリーダーシップでキャプテン不在時は、しっかりとチームを支えたチーム初の二冠に貢献。ベスト15に6回選出。06年に新人賞、06から3季連続でトライ王にも輝くなど日本を代表するウイング。174㎝・80㎏。
<了>
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